代表の稲田礼子です。
本コラムは、弊社内で実施している健康経営に関する取り組みから一部をご紹介するものです。健康経営※1に取り組む皆様のお役に立ちますと幸いです。
前回は芽が出てきた苗を水耕栽培キットへ植え替えを行ったことを取り上げました。
現在、水耕栽培を始めてから2週間ほど経過しました。そこで弊社社員に水耕栽培を始めてから気づいたことを尋ねると「社員間でのコミュニケーションが増えたように感じる」との意見がありました。
水耕栽培では種を植えてから新芽が出る、根が生える、葉が大きくなるなどわかりやすい変化が日々起こります。そのため変化を確認するたびに社員間で共有したくなり、結果的にコミュニケーションが増えたと思われます。
オフィスにおける植物の影響について岩崎ら(2015)では植物を個人のデスクに置く群、島型に設置されたデスクの中央に置く群、植物を置かない群の3群を設定して実験を行っています。その実験では植物の設置の方法に関わらず、植物があることで職場での会話の増加、仕事への意欲・はかどりが上昇したとされています。
弊社ではオフィスではなく倉庫で水耕栽培をしているため実験場面と同じ状況であるとは言えませんが、植物は社員間の会話の増加にも影響を及ぼすようです。
水耕栽培に関して弊社では社員に作物栽培に詳しい人間がおらず、みんなで探り探り育てている状況です。育てていくにあたって分からないことを調べて、知らなかった知識が増える。そして調べたことから野菜がうまく育つという結果が目に見えるということは達成感につながると思っています。
野菜育成の作業は誰か1人に任せるのではなく、1人1人が主体的に関わることができています。社員全員が水耕栽培に関われていることはコミュニケーションの増加、ひいてはチームワークの醸成につなげていくことができるのではと考えています。
また、メンタル不調の一因にはコミュニケーションの不足が考えられます。社内で共通の関心ごとがあればコミュニケーションの機会が増え、社内の笑顔が増えることにつながると思います。皆様の事業所にも社員がみんなでできる共通のイベントを取り入れられてはいかがでしょうか。弊社で取り入れた水耕栽培は、小さなハッピーを日々体感できる作業だと感じております。
参考文献
岩崎寛, 菊池典子, 大塚芳嵩, 山田隆介, & 中村勝. (2015). オフィスにおける植物の設置が勤務者の心理に及ぼす影響. 日本緑化工学会誌, 41(1), 239-242.
※1 健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。