代表の稲田礼子です。
本コラムは、私が日頃の産業医活動の中で行なっている講話から、一部をご紹介するものです。健康経営※に取り組む皆様のお役に立ちますと幸いです。
先月のブログではインフルエンザの流行状況についてお伝えいたしました。
今回は感染症対策についてです。
2020年以降、日本では新型コロナ感染症は流行していたものの、インフルエンザウイルス感染においては大規模な流行がありませんでした。その結果、インフルエンザウイルスに対する抗体価の低下が起こり、2023年度は感染者数が増加していることが考えられます。
インフルエンザが流行しやすい時期でなくとも感染者数が増え、大規模な流行になること、また新型コロナなど他の感染症との重複感染や同時流行も懸念されます。例年インフルエンザの流行がピークを迎える1月~2月に向かって感染者数の増加が予想されますので、ワクチンの有効期間を踏まえて12月ごろまでのワクチン接種を推奨します。
10月の感染症対策のポイント
インフルエンザも新型コロナウイルスも、感染症対策の基本は同じです。特定の感染症への対策はワクチン接種が有効ですが、感染症全般には以下のことを意識しましょう。
■室温や湿度に合わせて換気を行いましょう。
秋の花粉症のある方は、窓を開ける時間を工夫したり、フィルターを利用すると症状が抑えられます。
■感染や発症がなくとも、ウイルスを持ち込んでしまうこともあります。
重症化リスクの高い方と関わる場合には、手洗いうがい、マスクの着用など、特に配慮が必要です。
■季節の変わり目は気圧や寒暖差の影響で体調を崩しやすい時期です。
職場における部署異動などで環境変化がある場合は特に体調に気をつけて、ときにはゆっくり休みましょう。
■物にも自分にも多く触れる手の清潔さが感染症対策の基本です。
顔を触った際に手に付着したウイルスから感染を起こすことが少なくありません。
参考文献
イラスト:内閣感染症危機管理統括庁、新型コロナウイルス感染症対策HP
※健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。