弊社では、健康経営※に積極的に取り組んでいます。
2023年は健康経営に関する施策の全体像を見直し、well-beingの向上を目標に掲げて取り組みを行っています。
今回は弊社の2023年度の目標や目標設定の意図・経緯などをご紹介いたします。
Well-beingの向上に向けた弊社の取り組み
単に身体が健康なだけでなく、精神的、また社会的にも満たされたwell-beingの向上を全体のスローガンとして掲げています。
2023年度の取り組み内容・数値目標
健康経営に取り組む上でベースとなる現状把握、現状に合わせた具体的な取り組み、取り組みの成果の測定という3段階でのPDCAを回しながら、健康経営に取り組んでいます。2023年度は以下のような目標設定を行いました。
身体的な健康 | 精神的な健康 | 社会的な健康 | |
現状把握 (目標値) | 健康診断(受験率100%) 婦人科検診(受診率100%) | ストレスチェック(受検率100%) | 社内アンケート(回答率100%) |
具体的な取り組み (投資額) | VDT作業環境改善 ハンドグリップ運動の実施(初年度約7千円) 水耕栽培による野菜摂取(初年度約8万円・次年度以降約5千円) | 社内コミュニケーションの促進 セルフケアの充実 精神科産業医による相談窓口の設置 | 職場環境改善について施策の立案 個人の健康増進についての施策の立案 |
成果の指標 (目標値) | スタンド数(1日8回以上) ハンドグリップ運動への参加数(週3回以上)・握力体重比の増加(+0.05以上) 野菜摂取量の増加(1日24g以上) | ストレスチェック(レーダーチャート平均値3.0以上) | 社内アンケート・ストレスチェックの追加項目での従業員のエンゲージメント向上(全国平均以上) |
【目標設定の背景】
・スタンド数1日8回以上:勤務時間中、1時間に1回は休憩を行うというVDT作業の推奨項目から設定。
・ハンドグリップ運動への週3回以上の参加:厚生労働省の運動処方を参考に設定。
(座りがち・運動習慣のない人の運動目安として週3~5回、軽~中強度の運動が推奨されている)
・握力体重比+0.05以上:糖尿病予防に関する研究※2では、握力体重比が0.53の人より0.69の人の方が罹患リスクが低いことが示されていますが、弊社では握力体重比が0.53未満の従業員も多く、ばらつきも大きいことがわかりました。2022年度の取り組みで0.05程度の握力体重比の増加が多かったため、2023年度の目標値としました。
・野菜摂取量1日24g以上:プラス10の目標値から設定。1日70gの野菜摂取量の増加を3食で割り、昼食で24g以上の増加を目指すこととしました。
・ストレスチェックのレーダーチャート平均値3.0以上:ストレスチェックは4件法での実施のため、1・2はストレスが高い、3・4はストレスが低いという選択肢として点数化されます。今年は87項目でのストレスチェックを行い、各項目の全国平均値との比較をしながら、平均値が望ましい回答である3以上となることを目標値として設定。
健康経営の進め方
STEP1:心身の健康に関する現状把握
企業の健康管理や安全配慮義務の側面からも、健康診断やストレスチェックを利用した従業員の健康状態の把握は必要不可欠な要素です。
健康経営の第一歩となる健康診断受検率100%はもちろんのこと、法定義務のない小規模な事業所でもストレスチェックを活用しています。
また、女性の多い職場ですので、女性健診についての情報提供、日程・金銭の両面から受検への配慮を行うことで、従業員が長く健康に働けるよう工夫をしています。
STEP2:社内アンケートによる施策の立案
従業員数が少ないこともあり、2022年度までは会議や担当者からのヒアリングから、健康経営に関する施策の立案を行っていました。
2023年度からは、従業員の課題感やニーズの可視化、経年変化のための指標として、従業員アンケートを実施し、アンケート結果から課題の改善・健康増進に関する施策を進めています。
社内アンケートは組織としての健康度を把握する基本的な指標となるだけでなく、実施すること自体が会社が積極的に健康経営を打ち出していることを実感できるメッセージとしても機能しています。
STEP3:具体的な取り組み内容について
これまで実施してきた運動機会の提供、社内コミュニケーションの促進(ハンドグリップ運動など)に加えて、社内アンケートから課題として挙がったVDT作業の負担軽減、野菜不足の解消に特に力を入れて取り組んでいます。
手軽で楽しく、従業員みんなを巻き込んでみんなで健康を目指していくことのできる取り組みを考案することで、継続しやすく、関連のある企業様などにもご紹介できるよう心掛けています。
【2023年度の取り組み実績】
4月~ | ハンドグリップ運動の実施(2022年度からの継続) | 週1.5回程度実施 |
5月 | 社内アンケートの実施 | 回答率100% |
6月 | VDT作業環境測定会 スタンドランドの利用を推奨 水耕栽培の導入 | 参加率100% 利用率83%(1名はハード面で利用できていない) 1人20g/週の野菜摂取量増加 |
7月 | 食育の日 ランチセミナー実施 | 参加率100% 満足度が高く、ランチセミナーを定期開催 |
8月 | ヘルシーデイ×ヨガ | 参加率100% 「非常に満足」100% |
9月 | ヘルシーデイ×芸術の秋 | 参加率83%(欠席であった有給取得者には資料共有を行った) 「非常に満足」80%、「やや満足」20% |
具体的な取り組み内容、実施の様子については各記事で紹介しております。
GOAL:Well-beingの達成
身体的な健康はもちろんのこと、精神的・社会的にも健康な状態(well-being)の向上を目指していくことで、いきいきと働ける会社をつくり、従業員の生産性も定着も高めていくことを健康経営の目標としています。
最後に
従業員の健康を守るだけでなく、より健康で働きやすい職場を目指して、健康経営全体の施策も取り組み内容も日々アップデートしています。
2023年度の結果報告として、2024年4月に活動と結果をまとめた記事を作成する予定です。弊社の取り組みが健康経営に取り組む皆様のご参考になれば幸いです。
※1健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
※2Momma H, Sawada SS, Kato K, Gando Y, Kawakami R, Miyachi M, et al. Physical fitness tests and type 2 diabetes among Japanese: a longitudinal study from the Niigata Wellness Study. J Epidemiol. 2018. doi: 10.2188/jea.JE20170280.
2 レスポンス
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